大好きな黄色のボール | 事故にあう前日 莉りと公園で・・・ |
賢く、我が儘な・・ミッキーは、今は居ない。 1998年6月29日。 私の手からリードが外れた事から始まった現実。 莉りを連れて、初めて実家へ帰る日のこと… 荷物を持ったままドアを空けて、出ようとした瞬間… 手からリードが離れて…ミッキーは一人階段を降り・・・ 通り向こうの公園に行こうと・・・走り出ての事故だった・・・。 僅か・・・3才の命だった。 莉りが、我が家にお嫁に来て、2ヶ月目の出来事。 私は気が動転し、泣き叫び 未だにどうやって部屋に帰ったのかも覚えていない。 記憶にあるのは、莉りが部屋の片隅で震え怯えていたことと ミッキーの身体を抱きながら過ごした長い夜のこと。 私の腕の中に・・・いる。と言う現実の中 ミッキ−は、冷たくなり、堅くなっていく・・・。 身体から何かが消えて行く、喪失感を感じた・・・ 次第にそれは、体の一部がもぎ取られたような感覚に 代わり、空白になった心のまま、ミッキーの身体を擦っていた。 眠っているようにも見える顔。 生きている気がして 何度も身体を揺すった。 ミッキ−は、冷たくなり、堅くなっていく・・・ 一晩中、悲しみの中 自分自身を呪っていた。 人生で一番のミスを、犯したのである。 今もそれは、変わらない。 人をあれほどにも、憎んだ事はないと思う・・・ 自分自身だった。 一年もの間、眠れない日が続いたが、いつの頃か 「死」と言う言葉にさえ背を向け、 自分を責める事にも 背を向けていた。 立って居られない程…辛かった。 身体の一部が斬りおとされる感覚に、 身の置き所がなくなり、自分自身が絶えられなかった。 どうしようもない現実に取り残されてしまった心は バランスを失っていたように思う。 昔の発作が起きて実家に帰ったのも、あの頃の事。 莉りは、そんな私をよそ目に、屈託なく可愛い盛りを過ごしていた。 莉りと言う現実に助けられ、自分自身の現実を受け入れ、 彼の死を受け止めていったように思う。 彼のいない現実…それでも私は彼を愛する事で 現実を乗り越えたように思う。 *_____________________________________________________________* ミッキーとの出逢いから始まった心の整理の時間、 彼と過ごした時間は 本当に何物にも代えられないものだった。 彼と出逢った当時、私は精神的にも経済的にもどん底に居た。 事業の失敗・・・新しい住居、仕事・・・。 彼はいつも…傍に居た。 営業先にも、いつも一緒に連れて行った。 信じられない話だと思うが、会社にも連れて行っていた。 ミッキーは、どこに行っても誰にでも好かれ可愛がられていた。 新しい環境の中、彼を通じて知り合った友人達も少なくはない。 大分県のあちらこちら、ミッキーの縄張りになってたはず。 野山を駆け回り 笑っていた顔が今でも脳裏に焼きついている。 ミッキーと時を過ごして行く中、笑顔を希望を見いだし、 「頑張ろう」と思える自分がいた。 何度、彼の無邪気さや可愛らしさに 救われた事だろう・・・。 ミッキーが恋人であり、家族であり、親友だった。 やっと余裕ができ、莉りを迎え、彼自身の家族をと思っていた、 夢の入り口だった。 *_____________________________________________________________* 熊本県阿蘇郡高森町の高原が好きだったミッキー。 時々、彼に逢いたくなったら・・・今も、私はその場所を訪ねる。 今年の夏には、莉りとおてんばを連れて出かけた。 今年は3回忌だった・・・。 彼が、一番彼らしい顔をし、いつまでも離れようとしないあの高原は 今は立ち入り禁止になっていたが・・・芝に触り、莉りと供養をした。 目の前の高原を彼は、駆け回っていた。 今でもはっきり、私と莉りには見える光景。 「ミッキー」と呼ぶ私の足元で、莉りは遠くを見つめ「クーン」と 私の顔を見つめながら甘える。 彼女の心の中には今もミッキーがいて 恋しがっているのだと 私は今でも思っている。 私にとって、今もかけがえのない親友に、心からの感謝を。 「ハートtoハート」なかなか出逢えない。 ミッキーに出逢えたことを、心から感謝してます。 今でも、ママは…ミッキーが大好きだよ。 りりママ |
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