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| キジかあちゃんは、良いかあちゃんだ。「可愛くって 可愛くって」ってな感じで 子猫を舐め、乳を与え、子育てを続けていた。黒猫も いつのまにか黒かあちゃんになり、子猫は ３匹から ５匹に増えていた。この時期、出来るだけ「覗くと悪いな」みたいな 感情が働き、子育ての邪魔には なりたくなかったので 見る事を、控えていた。子供たちは２、３日度に、大きくなるのが分かった。子猫の姿を 楽しみにするのは、莉りだけではなかった。 莉りは、散歩に出ると、必ずキジかあちゃんの 傍に挨拶に行き、「フン」と無視されても 尾を振り、性格の良さを 見せていた。子猫の中で、他の子は逃げていくのに 一匹だけ、莉りの３６０°回転の 尾を「きょとん」と見る子がいた。私にも逃げなかった。「チビ」と呼ぶことにした。 子猫達は、知らない間に数が減り、２匹になっていた。黒猫はおばあちゃんが、黒の顔に白いブチのある、可愛い子は 小学生が連れって行ったらしい。もう一匹は、いつも遊ぶ 隣の車の下で、小さな体を 横たえて死んでいた。事故？体は綺麗だった。次の日、自分の中の恐怖心と戦いながら 山に埋めた。 運動会で賑わう頃、子猫達は、自力で 我が家の背戸道の、隣のおばちゃん家との境にある 塀にも登れるようになり、キジかあちゃんと 同じように時々こちらを見ていた。夜になると、二匹のかあちゃん猫は、それぞれの 子供たちを連れ、広い庭のある家に 侵入したり、道路で 追いかっけこをしたり、前の家の木に、登ったりと、忙しく遊びまわっていた。 私と来たら、以前の 私ではなかった。キャットフ-ドを買い、餌を与え、猫じゃらしの おもちゃまで買い求めて、夕方から現れる子猫と時々、遊んだり、姿が見えない日は、心配になっていた。 莉りは、「く〜ん、く〜ん」と何度も鳴き、遊びたい様子を見せたが、やはり近づけることは 出来なかった。莉りはまだ7ヶ月の子パピだった。私は時々、こちらを覗く キジかあちゃんに 挨拶をし、彼女も「ニャオン」と答えてくれる様になっていた。 キジかあちゃんは 子供たちには、普段と 明らかに 違う言葉を発していた。呼ぶ時、ふざける時、見えない子を探す時、乳を与えながら体を舐める時、自分が先頭に立ち寝床？に帰る際に 呼ぶ時 それぞれ違う言葉を 発していた。 ある雨の日おばちゃんちの 玄関で6匹の猫達が あまやどりをしていた。夏から秋そして冬。寒くなったら、どうするんだろうと？・・・案じていた。のら猫かあちゃんたちも、大変だ。だが いつも幸せそうな、満ち足りた顔をしていた。 ある日、一匹の 見知らぬ猫が訪れた。体中がもこもこしていた。お腹がすいて やって来たのだろうか？まだ小さいキジの、もこもこの毛を持つ、のちに この子が 我が家の「もこ」に なった猫だが、この子は 誰の子で いつから居るのかが、分からない。始めてあった時から キジかあちゃんは、体を舐めてやっていたし、チビも威嚇することなく 仲良く遊んでたし？？親子？違うよなあ・・・未だに謎のままだ。誰かが置いていったのかも 知れない。 キジかあちゃんと 黒かあちゃんは、共同で 子育てをしていたのだろう、時々「あれ？」と言うように、子猫は入れ替わっていた。子猫同士も 仲良しだ。それぞれが 家族の意識を持ち 暮らしているようだ。 もこもこした体をもつ子猫は「モコモコもこちゃん」と、呼ぶことにした。「チビ」と仲良しで、一緒に居る事が多かった。初めて会って２、３日して、キャットフ-ドとミルクをあげようと餌場に行くと、初めてモコモコもこちゃんが居る時に 出会わせた。 「あら、来とった？どうぞ」と言い お皿を置くと、他の猫達は、喜びの声を上げ、お皿に一目散で 駆け寄って来た。が、モコモコもこちゃんは 私の嫌いな「ハ-」をし、少し離れた所から こちらを見ている。昨日、窓から見た時には 威嚇する事もなかったのに、近づくと怖いようだ。私は餌場から離れ、いつも見ている 我が家の居間の窓から、莉りと のら猫たちを、見ていた。モコモコもこちゃんは、警戒しながら時々こちらを見てはいたが、暫くするとしっかり餌を食べていた。母猫たちは二匹とも、必ず子猫の後に自分たちが食べている。微笑ましい光景だった。 モコモコもこちゃんを、今まで見かけなかったのは、恐らく警戒心の強い子で 私の姿が見えなくなってから 現れていたのかも知れない・・・と思いながら食卓に着いた。 莉り、猫、そして人間たちの順で食事をする我が家だが、本で見たら人間、莉り、猫が正しいらしい（笑）それにしてもキジの顔とあのゴージャスな体の毛は？？私にしてみれば、何とも不思議な組み合わせのように思った。 |
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