「 のら猫物語 」  

           

         チビ♂の乳離れ

「チビ」「モコモコもこちゃん」「ぶちこ」も大きくなった。もう莉りを、越している。
相変わらず「チビ」は、「ちゃあちゃん」のおっぱいを吸いたがり、ちゃあちゃんから怒られている。たまには良いかと言う感じのときもあるが、たいていは嫌がり、怒られている。「チビ」の行動は、近所の人にも目撃されていて「まだ、おっぱい吸うんやなあ?」と聞かれたりもした。

少し前に「チビ」は風邪を引いていた、病院に連れて行こうとすると、そう言う日に限って現れない。仕方なく症状を話して薬をもらった。餌に混ぜて与えてはいたが、多分あの時期が・・・子離れの時期だったのではないかと思う。
「ちゃあちゃん」は時期を逃したんだ。他の子はそう言うことはなかった、私は一人でそう判断した。可愛がっていた・・・風邪を引いてジ-としている我が子の傍を離れずに、一緒にいた。だからだ・・・。

私は、時期を見て「チビ」を去勢に、連れて行こうとしたが、彼はこの時期、少し居場所を変えていた。餌場には来るし、時折いつもの駐車場にも居た。だが夜、来なかった。合った時に抱こうとしたが嫌がるようにすぐにどこかへ行ってしまった。母が「恋でもしてるんやないのか?」と言った。焦った。チビは♂だ、隣のおばちゃんが確認済みだから間違いなかった。




          1998年 冬 「もこ」に改名     

次の日、私は「モコモコもこちゃん」を連れ、獣医さんを訪ねた。
「すみません。多分、牝猫だと 思いますがお願いします。」「確認したの?」と 獣医さんから 聞かれた。「いいえ、タマタマがないから・・・」と答えた。獣医さんが「アッ!これは、雄ですよ。ついとるよ。去勢しますか?」と言った。驚いた。「え〜!!!」答えが 一瞬出ずにいた。「します。」そう答えるのが 賢明だった。

私は「モコモコもこちゃん」を ♀だと・・・だって「ニャオン」って 言う鳴き方や、仕草がおっとりしていて「チビ」とは 明らかに違う。おとなしいし・・・ずっと・・・。♀だと思っていた。何やらすごい事を 発見したような気に なっていた。何度も 頭の中で「モコモコもこちゃん」の行動を 振り返っていた。毛ぶきが良く、判らなかった。ヒマラヤンのような顔だが、毛模様はキジ猫だ。柔らかな性格は 血筋の良さからなのか?疑ったことなど一度もなかった。手術は日帰りで出来るとのことだった、夕方、迎えに行った「モコモコもこちゃん」は痛がる様子も見せずに静かに横たわっていた。家に着いて、キャリ-から 出たときに、辺りを見回したが、いつもの場所だと わかると急いで出た。このことがきっかけで、場所を替えるかも?とも思ったが、その日も彼!!はやって来た。

少しの間、薬を飲めば もう大丈夫だ。
帰って 私の母はもちろん 隣のおばちゃん 前の家の いつもかけっこをしたり 木登りをする庭の おばちゃん、皆驚いていた。「え〜!」私と同じ反応だ。それ程 「モコモコもこちゃん」は、女の子みたいな子だった。

食事の時にも話は盛り上がり、母が「モコモコもこちゃんって言うのは♂には、ちょっとねえ」と言った。「もこ」に改名。その夜 何度も二人で「まさかのまさかだ」の話で 盛り上がった。「チビ」は♂だから、体調が治ったら 連れて行こうと思っていた。

猫たちに とって 初めての冬、殆んどの猫が 風邪の症状を見せていた。風邪薬を飲ませたり 栄養剤を混ぜて飲ませた。猫たちは 大人しくジ-と、毎日を過ごしていた。
私自身が 長い風邪を 引いたりもあって、「チビ」は去勢をせずに 新しい年を迎えた。来たい時には 塀に乗り「ニャオン」と鳴く、魚が好きで、匂いを嗅いで呼ばずとも其処にいた。いつもは、キャットフ-ドを与えて、たまに缶詰を 混ぜたりした。がやはり猫!魚が一番好きだった。きびなご、鯵、いりこの塩抜きを 与えていた。「もこ」は相変わらず 行動範囲が狭く いつも居たが、「チビ」は あっちこっちと 遊び歩いていた。「ぶちこ」はいつも「くろこ」と一緒で、餌の時意外、必要以上には 近づいて来なかったが、挨拶はする様になっていた。夜は ダンボ-ルの中に 身を寄せて 眠っていたようだ。

          この子どこの子?

この冬、これまた、どこから来たのか 白地にキジ模様の見たこともない猫が、餌場に やって来ていた。のら猫一家は、威嚇もせずに 周知の仲のようだった。「ぶちこ」と似ているが・・・今まで見たことが なかった。♂、♀の判断も 付かなかったが、私の手に かかる様な猫には 思えなかった。威嚇もしないし、人にも 慣れている様だが、根っからの「のら猫」だった。
彼は、後に♂だと判ったが、時々が いつもになるには、時間はかからなかった。ダンボ-ルには 遠慮して眠らなかっただが、次第に、のら一家とも 近づき、遊びにも 加わっていたようだ。じゃれ方が 仲良しになっていたし、餌場に 餌を持っていくと「ニャオン」と言うようになって、以前のように 陰からそっと 見ている様子は 微塵もなかった。

彼はおかしな子で、木で作られた 隣の家の牛乳箱の中に 眠っていた。毎朝、何度見てもおかしかった。昼間、誰も居ない時に、そっとダンボ-ルの中に入って眠っていた。名前は「ブス」にした。顔が本当に ブスなのと、意地の悪そうな顔の子だった。一、二度、彼の牛乳箱で寝ている姿を 写真で写そうとしたが、さっと交わされ、「さすがだなあ〜」と感心した次第で・・・残念!笑える!傑作に違いなかった!

この時期が、一番猫の数が多かった。「ちゃあちゃん」「チビ」「もこ」「黒かあちゃん」「ぶちこ」「ばあばあ猫」「ブス」7匹いた。時折、黒いキジの夫婦が 来ていたので、多い日には9匹いた。流石に、餌場に行くと 「ギョ」とした。だが、居着いたのは「ブス」のみで、助かった。

私はこの時期、月に半分の日数しか 働けない状態で、いつも家で どうしょうもなく 眠っていた。12月から2月体調は 優れなかった。「チビ」のことが気になっていた。風邪はどうなったのか?去勢をしたら・・・喧嘩に 負けていじけないのか?「一度、獣医さんに連れて行こう。」決めていたが なかなか起き上がれなかった。







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