子パピの頃。「大変大変さあ大変!」

夢・ティッピプリン なんて長い名前!たくさんの願いや思いをこの名前に託した。

この子が産まれた時、僅か38g。最後の力を振り絞って自然分娩で 莉りが産んだ子だ。
喜びと同時に 獣医さんの声。「あ〜この子は、育たないなあ。」足が赤い。皮膚も出来たばかりで 体毛もそこだけなかった。他の子の3分の1しかない小さな身体・・・。骨も華奢な赤ちゃん・・・。

「もし、内臓が未完成なら育たないし、歩けないかも・・・どうしますか?」
「・・・・。」言葉が出なかった。
「安楽死と言う方法もあるけど・・・」
「・・・。少し考えさせてください」と言うのが精一杯だった。
無理もない・・・話だったのかもしれないが…ショックだった。

彼女はとってもとっても、小さかった。
出産の感動と同時に、厳しさを知った・・・長い一日の終わりにショックだった。
今のティッピプリンを見ても、そんな未熟児だったとは見えないほど、彼女は大きく成長している(^^v

眠れない日々の始まりでもあった。深夜、家に連れて帰り、祈るような気持ちで彼女を見ていた。
莉りは4匹の我が子を順々に舐め、オッパイを与えようとしていた。子パピが心配なのか?餌も食べずに、しきりに舐めまくっていた。いいママだった。
心配だったが、彼女は一生懸命オッパイを吸おうとする。嬉しかった(*^^*)まずは一安心。

本当に長い、長い一日だった、12月28日に 我が家は5パピになった。残念ながら第一子の♂パピは死産だったが、130gの立派な子だった・・・。莉りは、出産前は2kg弱しかない小さい華奢な子だった。力みが弱い子だったらしく、もう少し早く獣医さんに連れて行けば、と後悔した。天使になった♂パピは、綺麗な白黒の子だった。
私は落ち着いた莉りに、食事を与え 体を拭き、ブッラシングをした。体を擦りながら、莉りを誉めてあげながら、私たちは暫く 子パピ達を見ていた。心配なのか?いつもならそのまま眠るのに、子パピの元に行き、暫く舐め、眠りについた。彼女は、もう母親の顔になっていた。疲れきったような顔をしていたが、幸せそうにも見えた。
甘えん坊の莉りは、母になり子パピ達に、愛を注いでいた。少し淋しい気がした・・・。

この小さな体で5匹の命を抱え、産む一週間前は、妊婦さん歩き(笑)になっていた莉り・・・。彼女との出会いから、今までのことが走馬灯のように駆け貫け、今目の前にある母となった彼女の寝顔を誇らしく思った。そして自分自身をも、誇らしく思った。一つの夢が今現実に・・・私の目の前にいた。
彼女の寝顔を見ながら、何度も何度も「お疲れ様と、おりこうさん」を心の声で伝えながら私も眠った。

「莉りとの二人三脚で、頑張った日々」

夜中に目が覚めると 子パピ達は、莉りのオッパイに吸い付き、莉りが子パピを舐めていた。特にティッピプリンは、他の子よりも時間をかけ舐めている・・・。彼女も何か感じ判っているように、時々私の顔を見ながら舐め続けていた。どうにかしたいと思った。次の日、祈る様な思いで ブリーダーのクリエイトランドの中川さんに電話をした。莉りのお相手のキャランの飼い主でもあり、たくさんのパピヨンを育てている。彼女の意見で判断する事を決めていた。経験者が一番だと思っていた。
どうして良いか判らなかった、「生きて!」と言う思いだけだった。電話をするのが怖かった・・・。

忙しいと思い昼過ぎに電話をした。恐る恐る訪ねる私に、「大丈夫よ。育つ!育つ!」中川さんの明るい声!ホッとして 涙が止まらなかった。「2、3日に一度、テーピイングを取り替えないと いけないけど大丈夫?」「はい」「じゃあ、テーピングの仕方はファックスするから、大丈夫よ!」中川さんの言葉に救われた。細い華奢な足にテーピングが巻けるか?不安だったが、この一言にかけて見ようと決心した。

毎日、マッサージをし 徹夜が続いた。どうしても他の子から乳首を取られ、踏ん張りが利かないので 外れる。母乳を飲ませたかった、飲む気はあるから、支えてあげれば良かった。吸い込みは確かに他の子より弱いがそれでも懸命に飲んでいた。飲み終えて、莉りから舐められ ゆったりとした顔をする。ホッとした。次の日に45g次の日51g・・・どんどん成長していった。毎日徹夜同然の日々、不思議と疲れはなかった。途中成長が止まった時期があったが、彼女は11日目に100gになった。

その後も成長は続いたが、生後3週間後を迎えた頃から、下痢をしたり、オッパイを飲まなかったり!?ハラハラの毎日が続いて焦った。何とか助けたかった。飲まなくなったらそこで終わり・・・。
オッパイを飲まない時には蜂蜜入りの白湯、プロポリス液、とにかく母乳を与えたかった。吸い付かない時は、針無しの注射器で、ミルクを口の横から流し入れた。吐き出しても めげずに続けた。幸い気管には入らなかったが今考えると!!!怖い気もする。
何度も身体をマッサージし刺激を与え 話し掛けて、励ましながら飲ませていた様に記憶している。この頃からプロポリスを積極的に取り入れた。ミルクの中にはカルシウムを入れて、様々な栄養源の入った健康食品も、蜂蜜も指で口に入れ、舐めさせた。

獣医さんには行かなかった・・・何故だか、行かなかった。どこかで自信があったのだと思う・・・。彼女の生きようとする意志が、私には十分伝わっていた。
「生まれ持った生命力の差」の時期に、彼女には、莉りと私しか居なかった。

もうその頃には、動き始めていて 足の様子が気になって毎日見ていたが、這い方がやはりおかしかった。心配でこちらもへこたれそうになったが、心の奥で信じていた。 莉りが一生懸命産んだ子だ。何度も自分に言い聞かせ見守っていた。
心の葛藤が続いた。生き続けられるのか?歩けるようになるのか?緊張のせいか、少ししか眠らなくても、大丈夫な身体になっていた。目が覚めたら冷たくなっているのが 怖くて眠れなかった。
私の思いを小さな身体で受け止めて、必死にミルクを飲んでいる彼女が一番安心する姿だった。ミルクの後、莉りに返すと 一生懸命に身体を舐め お腹の中に入れようと身体をずらす・・・莉りの接し方は明らかに他の子とは違っていた。
一日一日が大切な時期だった。幸い彼女は、数日でまたオッパイに吸い付いてくれる様になったが 今、思い出しても背筋が寒くなる日々が、何日かあった。回復したり、吐いたりを繰り返していたがだんだん落ち着いてくれていた。

1ヶ月が過ぎ・・・ミルクもたくさん飲める様になって来た。
2ヶ月が過ぎる頃、体毛が整ってきた。ミルク入りの離乳食も食べれる様になり、姉達とも 遊べるようになった。他の姉達は、おてんば振りを発揮させていたが、ティッピプリンは「トコトコ、ペッタン」と言う感じで 抱っこが好きだった。
成長しても6ヶ月は歩き方がおかしく、お散歩も すぐに座り込んでしまう。2匹ずつ、だいたい1kmを遊びながら 散歩していたが3分の1も歩かなかった。

骨は完全に固まっている。足が少し変形と言うか?普通ではなかったが、びっこは 引いてなかった・・・地べたに「ぺたん」と座り、上目使いに私を見る。体力はなかったが、歩き方がおかしいだけで、大丈夫だと思った。その頃の、ティッピプリンは体は大きくなっていたが 肉つきもなくガリガリだったし、行動もまるで赤ちゃんのように幼かった。歩ける様になっても、心配はたくさんあった。でも 良く食べる子だった。時々の下痢や嘔吐はあったが、彼女の食欲に賭けていた。祈るような毎日の中、彼女は莉りの溺愛を受けながら、成長していた。
愛らしい性格でタオル地のポケモンのぬいぐるみをいつも咥えながら遊んでいた。他の子が取ると他のものは諦めていたが、ポケモンだけは、「キャンキャン」言いながら追いかけて行く、自我も芽生えていた。

「今思うこと」

毎日のマッサージは日課となっていたが、おてんばになり 嫌がるようになった頃、歩き方のおかしいのも 目立たなくなっていた。現在も彼女は、元気で暮らし、性格も良い。今だに莉りから、可愛がられ、姉妹からも優しく接してもらえる。お茶目なところもある。何かあると莉りの後ろに隠れていたが、最近では莉りではなく 私の方に逃げてくるようにもなった。可愛い!
足が少し?と見る人が見れば判るが、日常生活に 全く支障は出ていない。体は相変わらず食べる割に、肉がつかない子だが 病気もせずに居てくれている。

何はともあれ私の人生の中で、唯一ティッピプリンが 今も元気で居ると言う現実に「自分を誉めてあげたい」(笑)と思う。そして私は4姉妹を手放せずに、現在に至る(^^ゞ
「5パピも?」「そうなんです。」繰り返される返答の真意は、聞く側は知り由もない、手離せなかった・・・。私以上に可愛がってくれる人は居ないと、自分で思ったし(^^ゞ この人ならと言う方にも巡り会えなかった。
彼女らの命の尊さを、垣間見てしまった私には、その時既に、自分の分身のように感じていたから・・・。
運命だと受け止める事にした。

彼女の生命力に、私はとても感謝している。ティッピプリンを育てながら、姉妹の様子も片時も離れずに 見る事が出来た。子犬を育てる覚悟を学び、命の尊さを心から感じ取れた。そして生き続けてくれた彼女そのものが 私の学んだ命そのものであることに違いないと思う。懸命に莉りのオッパイをふくむ姿、踏まれてもめげる事なく 莉りの胸の中に進もうとする姿は、今も私の目に妬きついている。

中川さんには、本当に心から 感謝している。
パピヨンを愛する人として尊敬もしている。「ありがとうございました。」( ^.^)( -.-)( _ _)

「最近では・・・」

育ての親の、夢と希望を託した夢・ティッピプリンと言う名前。
莉りの秘蔵っ子は、気弱だが逞しく、その名の通りに 甘い雰囲気を撒き散らし おてんばに成長した。

最近ではボールの取り合いや、取っ組み合いにも ぬいぐるみを咥えて武器にし 参加をするようにもなった。莉りが自分を置いて何処かに行こうとすると、「フング、フング」言い、尾を噛みながら後に続く。おしっこに行く時はダッシュで?そして済ますと、部屋中を嬉しそうに駆け回る?
何とも可愛い性格の子になって来た。(笑)これからも、我が家の夢をのせて、元気に過ごしてもらいたい。
「ティッピプリンよく頑張ったね〜♪これからも頑張ろうね〜!」







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